文理選択の注意事項
高校に入学してから十分な日数を経ないまま、
高校1年2学期には文理選択を行うことになります。
一般的には、文系か理系を選ぶ観点として、
・将来どのような仕事をしたいか
・大学でどのようなことを学びたいか
・得意科目と不得意科目は何か
などが考慮されることになります。
どのような考えで文理選択を行うかについては
各自の考えで自由に判断して構いません。
判断材料が少なく自分ではなかなか決めきれない場合は、
判断を支援してくれる優良なサイトが多数あるので、
それらを活用するといいと思います。
このページでは、文理選択の基準を示すのではなく、
勉強の観点から、各々の選択者が注意するべき事柄について記載します。
理系選択者は、文系選択者よりも2~3割も勉強量が多くなる
出来事や事象を覚えるだけですむことが多い文系科目に比べて、
理系科目は理解力や思考力が問われることが多くなるため、
授業についていくためには普段から格段の勉強量が必要になります。
また、3年時には高校数学最高難度である「数Ⅲ」の科目を勉強する必要があります(*1)。
さらに、国語や英語であれば普段の勉強の延長で2次試験にもある程度対応できますが、
数学はそうではありません。
2次試験数学に対応するために、別途それ専用の勉強をする必要があります。
以上の理由により、理系選択者は相当の意気込みを持って勉強に励みましょう。
今後少しでも気を抜く期間が出てしまうと、
それをきっかけにその後の成績が一気に落ち込んでいきます。
さらに一度落ち込んだ状況になると、自力での回復は困難です。
前に学習した内容を使って次の新しいことを学ぶことが理系科目の特徴なので、
一度分からないところが生まれてしまうと、
それ以降のものが全て分からなくなってしまいます。
決しておおげさに言っているわけではなく、
理系を選択しているにも関わらず勉強を怠ったせいで、
小学校・中学校時代からは考えられないくらい成績が落ちる人が毎年相当数います。
重ねて言いますが、理系選択者は、高2になってから卒業するまでの2年間、
常に相当の意気込みを持ち続けて勉強に励んでください。
*1 理系選択者であっても、進路次第では「数Ⅲ」を必要としない場合があります
文系選択者は、受験時の競争倍率に気をつける
文系選択者は、理系選択者に比べれば、
それなりの勉強量でも授業についていけます。
文系科目は比較的事象の関連性が薄いので、
どこかが分からなっても、それが次の学習の支障になることは比較的少ないです。
「平安時代」のことをよく分かっていなくても、
「江戸時代」のことを学ぶことはできます。
こう考えると文系選択者は気楽なようですが、
話はそう単純ではありません。
文系選択者が大変になるのは、受験のタイミングになります。
時代の流れや当時の流行にもよりますが、
一般的には高校生全体の文理選択人数の比率は「文系:理系=7:3」で、
圧倒的に文系の人が多くなっています。
にも関わらず、現在の社会情勢は「文系人材の需要が減り続けている」状況です。
この情勢は大学の文系学部の定員に影響を与えていて、
文系学部の定員は縮小され続けています。
つまりどういうことになるのかというと、
文系選択者は、大学入試のタイミングで非常に高倍率な受験を強いられるということです。
「学校の授業はなんとかなっている」と思って
普段からそれなりの勉強しかしてこなかった人は、
自分が希望する大学にはまず合格しません。このことは覚えておいてください。
補足
<補足①>
「数学」「英語」「物理」「化学」は積み重ね教科であるため、
一度分からなくなると、次の新しい学習内容が分からなくなってしまいます。
もし現在の学力に不安がある人は、
授業が止まっている長期休み中に重点的に勉強しましょう。
<補足②>
国公立大学の前期試験の志願倍率は約3倍です。
そもそも勉強がとても苦手な人は、国公立大学の試験を受けません。
ある程度勉強に関心がある人の中での倍率が上記の通りですから、
高校時代に勉強をあまりしていなかった人は、まず合格しません。
また、普通に頑張った人は受験者平均点前後の点数に留(とど)まりますので、
受験倍率が2倍を超す場合は、この人もまず合格しません。
大学入試の場合は、高校入試とは全く倍率が異なります。
ゆえに、国公立大学への進学を希望する人は
高校入試とは全く違うレベルの努力が必要なることを覚悟しておきましょう。
<補足③>
せっかく高校生になったのに、重たい話ばかりをされてもしんどいと思うので、
ネコの画像を掲載しておきます。